植毛(毛胞単位移植術)

植毛には大きく「人工毛植毛」と「自毛植毛」の二つ分けられます。
以前は人工植毛が主流でしたが、人工植毛では施術後、頭皮に炎症が発生したり、異物性肉芽腫という硬い瘢痕ができるなどの副作用も多く、また90年代以降に人毛植毛の技術が大きく発展したことで、現在では自毛植毛が主流となっています。

自毛植毛には主に、皮弁法フラップ法)、縮小術スカルプリダクション)、遊離移植法の三つの方法がありますが、これらは基本的にすべて脱毛しにくい後頭部や側頭部の皮膚を利用する移植法です。
中でも現在もっとも広く施術されているのは、遊離移植法の一種である毛包単位移植術FUT法)です。

人間の毛髪は、1〜3個の毛包が一群を形成しています。
毛包単位移植術は、毛包の一群をユニットと考え、主に後頭部から切り取った頭皮組織を、顕微鏡を見ながら毛包ユニット単位に切り分けて移植する手術です。

毛包の移植は、移植する場所に穴を開けてそこに埋め込む形でおこないます。
イメージ的には、苗代で育てた稲の苗を、田に1本づつ田植えすることと似ています。
一般的には、より自然に見えるよう生え際には1本毛のユニット、逆に頭頂部には3本毛のユニットを植毛していきます。

移植する毛包に損傷が無ければ、移植した毛包の約95%は新しい場所に定着(生着)しますが、生着した毛包の大半はすぐにヘアサイクルの休止期に入るので、いったん髪の毛は抜け落ちてしまい、毛包が成長期に入れば、移植した部分から再び髪の毛が生えてきます。
したがって、FUT法の効果がはっきりと分かるには、移植後半年以上はかかる計算になります。

なお、移植した部分が前頭部や頭頂部であっても、移植した髪の毛がAGAによって再び脱毛してしまう心配はありません
なぜなら、毛包はもともとあった箇所の性質を持ち続けるからで、DHT(ジヒドロテストステロン)のレセプターが無く、DHTの影響を受けない後頭部や側頭部の毛包を移植するので、大丈夫なわけです(ドナー・ドミナントの法則)。

逆に、もともと髪の毛が残っていたので移植しなかった所が、AGAの影響で薄くなっていき、移植した部分の髪の毛だけが黒々と残り、不自然になるという可能性の方が高いと言えます。
そうなれば、もう一度毛包単位移植術を繰り返す必要が生じるかもしれません。
ただし、後頭部などの自毛を利用する植毛法は、全体の髪の量が増えるわけではないので、繰り返しおこなうにしても3回ぐらいが限界でしょう。
ちなみに現在FUT法の費用は、1本当たり500円ぐらいになります。

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